2023年度の成果と課題
2023年度を振り返ると、私たちは多くの変化と機会に対応しながら、いくつかの重要な成果を達成しました。まず、2022年1月に立ち上がった古河工場の新たな生産ラインが安定稼働し本社工場とのウイング生産2拠点化が本格化しましたが、古河工場の生産能力を当初計画の約1.5倍に改善することで顧客のニーズにより迅速に応える体制を整えました。さらに、小型トラックの販売台数は3,000台を超え、その拡販に成功しました。また、グローバル展開においても進展があり、タイ事業のフィージビリティスタディを完了し、台湾でのキット販売のトライアルも開始しました。これにより、海外市場への進出が加速し、グローバルなプレゼンスの拡大を実現できると確信しています。新商品の開発においても、小型低床ボデーの量産体制確立やFCEV(燃料電池電動車両)対応ボデーの導入を進め、次世代の移動手段に対応する製品ラインナップの充実を図りました。
一方で、多くの課題にも直面しました。生産体制の安定性を確保するための取り組みが進行中であり、効率的な生産プロセスの確立には依然として改善の余地があります。急激な生産回復に伴う人員増加と定着、そして資材費の高騰が私たちの取り組みの中での重要な課題となっています。このような状況下でも、私たちは現状に満足することなく、引き続き問題解決に向けて努力を重ねていきます。
2024年度の課題
2024年度においては、生産体制の最適化と収益性の向上を最優先課題と考えています。本社工場及び古河工場において増産を計画し、受注台数を確実に作り切ることを目指します。本社工場の生産活動における諸課題を解決するため、社内外の知識とノウハウを駆使し、生産ラインの効率化を図ることで安定した生産体制を整備し、顧客の期待に応える体制を構築します。また収益改善のため社内での地道な合理化活動によるコスト削減に加え、お客様のご理解を得ながら価格設定の最適化も進めていきます。
2024年度も引き続きカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを継続していきます。私たちは、製品のライフサイクル全体におけるCO2排出削減を推進し、再生可能エネルギーの導入やエネルギー効率の向上に向けた技術革新に注力し、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、業界全体の環境負荷の低減に寄与していきます。
業界NO.1を目指す
私たちの視線は単なる課題の克服にとどまらず、業界におけるNo.1の地位を確立することに向けています。業界No.1を目指すという目標は、単にシェアの拡大や売上の増加だけでなく、社会的責任や持続可能性の観点からもリーダーであり続けることを意味します。私たちは、社員一人ひとりがこのビジョンを共有し、日々の業務に反映させることで、着実にその目標に向かって進んでまいります。業界の最前線を走り続けることで、お客様にとっての最良のパートナーとなり、業界全体の発展に寄与する企業であり続ける所存です。
未来に向けた取り組み
持続可能な成長と競争力の強化のため構造改革を進めていきます。本社工場の再構築と古河工場のフル稼働を通じて最適な生産体制を整えて生産能力の最大化を図り、より安定した製品供給を可能にします。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の活用により、ビジネスモデルの効率化を進めます。これにより、業務のプロセスを最適化し、迅速かつ柔軟な対応が可能なビジネス環境を整えます。そして職場環境の改善に向けた設備投資等を行うことによる健康経営や省人化の推進を通じて、社員の健康と働きやすさを確保します。また社員一人ひとりの成長を支えるための研修やキャリア開発プログラムを充実させ、持続的な組織成長を実現していきます。
最後に
企業の目標達成には全従業員の協力が不可欠です。私たちはこれからも共に努力し、チャレンジを乗り越え、持続可能な成長を実現してまいります。全従業員に加えてお客様、仕入先様、そして地域社会の皆様と共に、より良い未来を創造するために、一層のご支援とご協力をお願い申し上げます。
株式会社トランテックス 代表取締役社長森 茂